許されるのなら　あの頃に戻りたい

そうつぶやく　あなたの口元

いつの間にか　目元を潤ませて

誰にだってある　悲しき現実

そう思っていても　避けたい一心で

過去を思い出しては　つぶやく

今を生きようと思っても　しがみついてしまう

その手を振り放ってしまえば

息絶えてしまいそうな気がして

どうか　どうか　この現実を

夢にしてください　そう願っても

届かぬ声　静かになる鼓動

一瞬見せた　やさしい顔

さっきまで　ここにいたのに

最期の一滴　頬を伝って　枕を濡らして

まだある　この手の中に

最後の最後まで　その温もりをすくって

ただ　ただ　泣きじゃくることしかできない

無力で愚かだと　叱ってほしいのに

あなたは　静かに　ただ静かに

身体を休め　遠くへ　遠くへ

私の手を振り放って。